遺言がなければ州法で分配されます:すべてが配偶者に渡るとは限りません
「たいした財産もないから遺言は要らない」「どうせ配偶者に渡るでしょう」と考える人は少なくありません。二つ目の前提は、州によっては間違いです。
遺言がないとどうなるか
財産は州法に従って分配されます(intestsuccession)。しかも各州でルールもそれぞれ異なります。一部を親や子に分ける州もあり、すべてが配偶者に渡るわけではありません。
よくあるパターン:
- 子がいれば、配偶者と子で分ける
- 子はいないが親が存命なら、配偶者と親で分ける
- 再婚で前の婚姻の子がいる場合、分配はさらに複雑になる
結婚したばかりでまだ子どもがおらず、ご両親が健在の場合、これこそ「配偶者がすべてを受け取れない」が最も起きやすい状況です。
二つの手段
遺言(Will)
簡易な遺言でおおむね $300 から $1,000。財産の分け方、遺言執行者、未成年の子の後見人を指定します。
欠点は検認手続(probate)裁判所の手続きを経ると公開されますし、時間も費用もかかります。
リビングトラスト(生前信託)
おおむね $1,500 から $3,000。資産を信託に入れ、生前は自分で管理し、死後は信託の条項に従って直接移転されます。
利点はprobate を回避できる:手続きがスムーズで公開されませんし、複数の州に資産がある場合は特に便利です。デメリットは作成費用が高いことと、資産を本当に「信託へ名義移転する」のを忘れないことです(信託を作っても家を移していない人は多く、それだと意味がありません)。
どう選ぶか
- 資産が単純で、すべて同じ州にある:遺言で通常は十分です
- 不動産がある、とくに複数の州にある:リビングトラストの価値が明確です
- 内容を公開したくない:リビングトラスト
- 未成年の子がいる:どちらを選ぶにしても、遺言で後見人を指定するのを忘れないでください。これは信託では代替できないことです。
最も重要な一文:受取人指定は遺言に優先します
計画全体を無効にしてしまう最大の落とし穴です。
遺言をどれだけ完璧に書いても、401k の受取人を変えなければそのままです。生命保険、退職口座、IRA などは契約で受取人を指定するもので、遺言による分配を経ません(チェックリスト第 19 項参照)。
ですから正しい順序は、まず五分ですべての受取人を直し、それから遺言の話をすることです。前者は無料で即時に効力を持ち、後者はお金も時間もかかります。
国際結婚の場合の追加の考慮
一方が米国市民でない場合、相続の税務上の扱いが少し変わってきます。配偶者間の無制限婚姻控除は適用されないため、QDOT 信託のような仕組みを検討する必要があります(リスト第 87 項参照)。
また、台湾に資産(家、口座、保険証券)が残っている場合、米国の遺言では台湾の財産を処理できないことがあります。双方で手当てが必要になる可能性があり、しかも二つの書類が矛盾しないようにしなければなりません。この場合は国際相続に詳しい弁護士を探してください。
ひとことで言うと
まず受取人を変え(無料で即時に有効)、それから遺言の話を。そして「どうせ配偶者に渡る」という前提は、州によっては間違いです。