不動産に配偶者の名前を加えるのは署名だけの話ではありません:住宅ローンの条項や贈与税に触れることがあります
配偶者の名前を権利証書に加えるのは、象徴的な行為のように聞こえます。実際にはそれは一度の財産移転であり、思いもよらない二つのものに触れます。
先に確認すべき二つの問い
1. 住宅ローンの due-on-sale 条項
多くの住宅ローン契約には due-on-sale(または acceleration clause)という条項があります。所有権が移転したとき、銀行はローン全額の即時返済を求める権利を持つというものです。
配偶者の名前を加えることは「移転」に当たるのか。多くの場合は法律上の例外で保護されます(配偶者間の移転は通常保護されます)が、条項がどう書かれ、銀行がどう判断するかは先に確認してください。
「大丈夫だろう」と自分で判断せず、ローンを組んでいる銀行に電話してみましょう。ほんの5分で済みます。「たぶん大丈夫だろう」と自分で判断しないこと。ローンの銀行に電話すれば五分で済みます。
2. 贈与税
配偶者が米国市民でない場合、不動産の半分を渡すことは課税対象の贈与になり得ます。
無制限婚姻控除は市民の配偶者にしか適用されないからです。非市民の配偶者に適用されるのは上限のある年間非課税枠であり(2025 年度は $190,000、チェックリスト第 87 項参照)、家一軒の半分でも簡単にそれを超えてしまいます。
グリーンカード保持者もなお「非市民」に当たります。ここを取り違える人が最も多いところです。
所有形態を正しく選ぶこと
名前を加えるのは「名前が一つ増える」だけでなく、どの保有形態にするかを決めることでもあります。州によって選択肢が異なります。
- Joint Tenancy with Right of Survivorship一方が亡くなった際、所有権は自動的にもう一方へ移り、probate 手続きを経る必要がありません。
- Tenancy by the Entiretyこの選択肢は夫婦のみが利用でき(しかも一部の州でのみ提供)、債権者からの保護も手厚くなります。
- Community Property with Right of Survivorshipこれは共有財産州でのみ選べる選択肢で、税務上、特別な取得価額(step-up basis)のメリットがあります。
これらの違いは相続、税務、債権者からの保護の三つの側面にあり、住んでいるのが共有財産州かどうかにも関わります(チェックリスト第 73 項参照)。
選び違えてもすぐには問題になりませんが、売却時、相続時、あるいは一方が債務問題に直面したときに表面化します。
どこで手続するか
county recorder で deed の変更登記を行います。
ただし弁護士またはタイトルカンパニーを通すことをおすすめします。自分でフォームをダウンロードして書かないでください。理由は次のとおりです。
- deed の書式と文言には法的効果があり、誤ると権原に瑕疵が生じ得ます
- 所有形態の選択には専門的な判断が要ります
- 住宅ローンの条項に触れないかを確認してくれます
費用は通常数百ドルで、不動産の価値と誤った場合のコストに比べれば非常に割に合います。
急いで加えなくてよい場合
もし家を結婚前に買い、ローンも結婚前に組んだもので、さらにまだ移民手続きの最中で税務上の身分も確定していないなら、状況はもう少し複雑になります。その場合はまだ加えなくて構いません。
先に確認すべきは、配偶者の身分(市民か非市民か)、住んでいる州の財産制度、住宅ローンの条項です。この三つがはっきりしてから動いてください。
また、婚前資産の独立性を保てるかも考えどころです。結婚前に買った家のローンを結婚後の収入で返済すること自体、資産の性質を変えてしまう可能性があります(チェックリスト第 88 項参照)。
ひとことで言うと
動く前に電話を二本。ローンの銀行に due-on-sale の問題がないか、税務顧問に配偶者の身分で贈与税が生じないかを聞いてください。